B.P.net vol 2  
発行日 平成16年3月1日
『脳卒中』を考える= いまなぜ脳卒中予防なのか = 院長 河野 拓司
『突然死』のナンバーワンはなんと言っても心臓疾患ですが、最近は心電図検査も一般健診に取り入れられるようになり、その予知・治療も少しづつ進んでいるようです。一方、脳疾患の中では特にくも膜下出血がこの『突然死』の原因のひとつとして最近クローズアップされている疾患です。
くも膜下出血は、生まれつき脳動脈の一部に血管壁の薄い部分があり、そこが動脈瘤という血管のコブになり、そのコブがある日突然破裂して頭の中が血の海になる恐ろしい病気です。厄介なことは脳動脈瘤ができただけではなんら症状が出ないことなのです。まさに晴天の霹靂。
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イメージ 世の中には交通事故,飛行機事故,地震など、予知不可能な事象は多々あるものの、くも膜下出血のような自分の体の中の「突然」は皆さん意外と無関心なのではないでしょうか。
十数年前、ある消防署の救急隊員がくも膜下出血で亡くなったことがあります。この方は、私も懇意にしていた優秀な隊員で、くも膜下出血の患者さんを何度も救急搬送した経験がある方でした。
ある日の午前、勤務中に突然の頭痛に襲われました。我慢強い方でしたので「仕事が落ち着いた午後にでも医者に診てもらおう、ちょっと横になってくる」と言ったまま意識を失い、帰らぬ人となってしまい ました。このとき、まさか自分があの恐ろしいくも膜下出血だったとは夢にも思わなかったのでしょう。
この方ばかりでなく、なんと脳外科医自身が検査中にくも膜下出血になり、亡くなったこともあるのです。すべて知り尽くしたベテランの脳外科医が...
つまり脳動脈瘤を持っていれば、誰でも何時でもくも膜下出血になる可能性があるのです。しかもいったん破裂してしまうと時間的猶予はなく、大出血を起こす前に緊急手術をしなければならないのです。何しろいったんくも膜下出血になってしまうと、3人に一人は助からず、薬では全く予防できないのですから。
さて、我々脳外科医にとって15年程前画期的な出来事がありました。MRIの登場です。
MRIは「磁気共鳴画像診断」と呼ばれ、強力な磁力と携帯電話などに用いられているラジオ波を利用して、あらゆる方向の断層撮影が可能です。この装置の登場により、造影剤を使わずに脳動脈瘤の診断が簡単に安全に行なわれるようになったのです。今まで動脈瘤の診断は、入院して大掛かりな脳血管撮影を行なわなければできなかったのですが、このMRIにより短時間でしかも痛い注射をせずにただ寝ているだけでできるようになりました。そしてこれが『脳ドック』の普及につながったのです。
ある報告では100人に一人の方が動脈瘤を持っていて、動脈瘤の年間の出血率は1〜2%あると言われています。
自分の中に潜んでいる『突然死』の有無を知るのは少し怖いかもしれませんが、人生を前向きに生きている方は、是非一度、脳ドックでチェックしてみてはいかがでしょうか?

 “神の手”を持つ男 〜福島孝徳先生 来院手術〜
ブレインピア南太田が開院して半年あまり経った 昨年の夏、福島孝徳先生が突然当院を来訪されました。
福島先生は院長 河野が東京・三井記念病院で研修を 行なった当時、同病院の脳神経外科部長を勤められて おり、以来約20年ご指導いただいております。
日本全国を巡って行なわれる何件もの手術、先生を追いかけながら撮影されるドキュメンタリー番組収録の合間を縫っての来院・施設見学でした。

福島先生と河野先生
手術の様子
河野はこれまで福島先生と600例以上の手術を一緒に行なってきましたが、この2年あまりブレインピア南太田 設立のためお会いする機会がありませんでした。
そして再会...
「また一緒に手術をしましょう」
その時交わされた約束は意外に早く、実現することになり ました。
2003年11月23日。
福島孝徳先生を招いての手術が行なわれることになった のです。
 『聴神経腫瘍摘出』を2件続けて行なう手術は、午前5時にスタート。
この日のために招聘された医師や当院の手術室スタッフ合わせて10名が福島先生と共に手術に 臨みました。
アメリカの医療関係者に“神の手を持つ男”と賞賛 される福島孝徳先生。この日もその手はまるで神のそれのように、素早く的確に病巣を摘出しました。
通常夜半まで続くこの手術も夕方には終了。
ふたりの患者様も10日ほどの入院を経て退院されました。


ある取材に福島先生はこう答えています。
「“神の手を持つ男”と呼ばれていたり“脳外科のマイケルジョーダン”と米国の新聞は書きますが神様ではないんですよ。治せない病気はもちろんあるのです。」
「日々神様に怒られないように、誉められるように患者さんに全力を尽くしてきました。だからいつも最高の手術を与えられるんですね。“神の助けのある男”というのが本来の姿でしょう。」
手術終了後“神の助けのある男”は休む間もなく次の手術のために東京へと出発されました。
次の来院は4月8日(木)に予定されています。

福島先生


禁煙外来

ブレインピア南太田では『禁煙外来』を行なっております。
『マイクロ スモーカーライザー(呼気中一酸化炭素濃度測定器)』を導入 し、健康に対する喫煙の影響と禁煙の重要性をご理解いただけることと思います。
禁煙外来は予約制となっておりますので、通常外来日の診察時にご相談ください。

喫煙者の肺
肺の写真
非喫煙者の肺

睡眠時無呼吸外来

■睡眠時無呼吸症候群ってなに?
イメージ 睡眠中に大きないびきをかいたり、繰り返し呼吸が止まる(10秒以上の無呼吸や低呼吸)病気です。
日本では『新幹線の居眠り運転』で広く知られるようになりました。寝ている間に呼吸が止まり、十分な睡眠がとれないため、昼間激しい睡魔に襲われたり頭痛や倦怠感といった症状が出てきます。このため居眠り運転による交通事故や労働災害などを引き起こす可能性が高くなります。アメリカの調査では、スリーマイル島の原子力発電所の事故や、スペースシャトルチャレンジャーの事故は睡眠障害によって引き起こされたと報告されています。また、高血圧・不整脈・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞等の循環器疾患といった死につながりやすい疾患を合併する確立が非常に高くなるのです。
■終夜睡眠ポリグラフ検査
睡眠の状態(睡眠の深さや持続時間)、無呼吸数や血中酸素の程度、いびきの時間、心拍数、異常な足の動きがあるかどうかなどを、一晩中測定する検査です。これにより、適切な睡眠がとれているかを調べることができ、睡眠障害の原因を判断します。
■鼻CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
CPAP療法は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者さんに極めて有効な治療法の一つで、現在では 最も多くの患者さんに行われている治療法です。                                   
鼻マスクを利用して空気を送り込み、圧力をかけて気道を閉じないようにすることで、無呼吸や低呼吸に よる酸素不足を解消し、睡眠の質を向上させることができます。また、睡眠時無呼吸症候群がまねく 高血圧症や狭心症、心筋梗塞といった循環器の病気など合併症を予防するのにも有効と考えられて います。 CPAP療法の効果は初めて使った日の翌日には実感できるようになります。

お知らせ

テレビ放映

平成16年2月ブレインピア南太田に上山 博康先生(旭川赤十字病院)を迎えて行なわれた手術の模様がテレビ放映されました。

上山 博康先生

番組名 : 『スーパードクター!私の命を救った名医』

放送局 : テレビ東京(12ch)系列全国放送
放送日 : 平成16年 3月15日(月)
時 間 : 午後 8時から午後10時
司 会 : みの もんた

リハビリ棟増築
平成16年5月 『ブレインピア南太田リハビリセンター』オープン予定! リハビリセンター
通所リハビリ事業『お迎えリハビリ』を予定しており、現在申し込み受付中です。
なお、登録人数に限りがあるため、お早めにお申し込みください。 詳しくは受付までお問い合わせください。
脳神経外科 ブレインピア南太田